相生山緑地(名古屋市天白区)の森を壊す道路建設計画「弥富相生山線」について、当サイトでは8つの問題点を明らかにしています。
このページでは、「問題点⑦ 公約破棄と、不誠実な住民合意形成」について、詳細に検討しています。
前市長の方針を「丸ごと継承」するとした選挙公約の破棄
広沢現市長は、道路事業を止めていた「河村前市長の方針を丸ごと継承する」と約束して当選したにもかかわらず、その公約を覆して工事再開へと舵を切りました。
これは有権者への信義に反します。
相生山緑地に関心のある人たちの中には、「前市長の方針を100%継承する」とした選挙公約を信じて、広沢氏に投票した方もいます。
これは重大な公約違反です。
重要な住民説明会への市長不参加・直接対話の拒否
重要な住民説明会に、現市長は一度も出席していません。
2026年3月1日の説明会も、現市長は稲沢市の「国府宮はだか祭」に参加したため、欠席となりました。
市民への直接の説明や、私たちの声を聞く場を避けています。
市長は、どのような意見を聞いて工事再開を決定したのか?
これを明らかにするために、市長自身の直接の説明が不可欠です。
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多数の「反対意見」を軽視し、建設に前のめりな行政の姿勢
地元には「反対」意見が多くあります。
にもかかわらず、これらの意見を重要視せずに、道路建設に前のめりな姿勢で計画を進めようとしています。
名古屋市民全体の意見も問うべき
名古屋市全体でも、「弥富相生山線」道路計画に反対する市民が大勢います。
相生山緑地は名古屋市民の共有の財産であり、建設費用は名古屋市民の税金ですから、名古屋市民全体の意見も反映させるべきです。
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学術検証委員の意見の「都合の良い切り取り」
学識者意見の都合の良い切り取り
道路計画を科学的に検証するために作られた「相生山緑地の道路建設に係る学術検証委員会」は、本来中立な立場でなければなりません。
ところが、2025年6月に実施された同じ委員による「学識者ヒアリング」で、「(道路を)つなぐ以外ない」という意見が出た、とのことです。
行政は、この「つなぐ以外ない」といった一部の委員の発言だけを都合よく切り取り、工事を再開するための大義名分として利用しています。
「つなぐ以外ない」と発言した委員は誰か?
2010年に開催された「学術検証委員会」の議論の中では、委員会の中立性が繰り返し言及されています。
したがって、「つなぐ以外ない」などの建設に前向きな意見が、学術検証委員から出てくるはずがありません。
「学識者ヒアリング」の議事録を公開して、「つなぐ以外ない」など建設に前向きな発言した委員の氏名も公表すべきです。
もはや「学識者ヒアリング」は学識の名に値しない、といえます。
学識者そのものへの不信感
2026年3月1日の説明会資料には、「学識者ヒアリング」の意見として、
ホタルが増え続けているのは異常な環境。減ることも(自然に対して)むしろ重要な要素
という、理解しがたい意見がピックアップされていました。
「異常だから減ってもよい」というのは、学識者とは思えない暴論です。
このように、市民からは、学識者そのものへの不信が高まっています。
実際に、2026/3/1の説明会後に募集された「市民意見」には、学識者意見に対する疑義を指摘する声が、22件も寄せられています。
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折衷案という名のまやかし
市は当初「緊急車両だけが通る環境に優しい折衷案」と言っていました。
しかし、2026/3/1の説明会では、結局は一般の車も通れる方針に変更しています。
これでは当初案と変わらず、「折衷案」という名称はまやかしです。
大型道路になる?
車が安全にすれ違うためには、歩道を含めて12〜16メートルもの大型道路が必要になり、結果として当初の計画通りの大規模な自然破壊(グレーインフラ建設)になってしまいます。
「一般車両の通行」は最も核心的な問題
また、住環境の悪化や生態系の破壊など、本事業をめぐる問題点の多くが、一般車両の通行に起因します。
つまり、一般車両が通行できるかどうかは「弥富相生山線」問題における最も核心的な問題です。
住環境の悪化は、道路建設の工法とは無関係な問題
そもそも住環境への悪影響を心配する地域住民にとって、道路建設の工法の種類などは、まったく別の問題です。
どんな工法で建設されようが、不特定多数の一般車両が通行することに変わりはありません。
「環境に配慮」との名目で「折衷案」と称するのは、詭弁です。
恣意的な「徒歩避難シミュレーション」
市は「道路をつくれば災害時の徒歩避難時間が短くなる」というシミュレーションを提示しています。
しかしその図を見ると、現状の計算において、緑地内にある実際の散策路や舗装路をわざわざ無視し、大きく遠回りしたルートを使って「道路がないと避難に時間がかかる」と見せかけていることが分かりました。
また、ハザードマップ上での浸水リスクがない安全な区域からの避難時間を論拠にするなど、防災を建前にした恣意的な資料作成が行われています。
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「中止」の選択肢を排除した、まやかしの市民アンケート
2026/3/1の「弥富相生山線の折衷案に関する説明会」における説明資料には、「P.5-1 市民アンケート調査」という項目があります。
この市が実施した市民アンケートには、「道路をつくるのを中止する」という選択肢自体がありませんでした。
「道路をつくる前提」の不公平なアンケートでありながら、当局は「住民の多数が賛成している」という、事実に反する可能性のある説明を行っています。
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進捗率と予算執行率の意図的な混同
本事業の予算の執行率は、80%(約29億円)となっています。
この80%という数字を利用して、マスメディアの報道などを通じて、「道路はあと少しで完成なのに、ここで止めるのは市税の無駄」と言うイメージが流布されています。
しかし、実際の工事進捗率は約60%にとどまっています。
住民間の対立
本事業計画は、長年に渡って住民同士で意見対立が起きています。
市民意見データベースでも明らかなように、現在でも、住民の合意形成ができていない状況です。
このような状況下での強引な工事再開は、住民間の対立や分断を深刻化させかねません。
広沢市長は、誰の、どんな意見を参考に?
2025年11月に、広沢一郎・名古屋市長は建設再開を表明しました。
ニュース記事によれば、広沢氏は意見表明の際に、
「地域の課題となっている入り込み交通が減少することが期待できる」
「通してほしいという地元の声が非常に多く...」
などと発言しています。
しかし、「入り込み交通が減少する」という発言は、当サイトで詳しく解説したように、定量的な根拠がなく、逆に増加する懸念さえあります。
また市民意見のデータベースでも明らかなように、道路反対の地元の声も非常に多くあります。
つまり、市長発言には疑問符がつきます。
重大な疑問点
ここで重大な疑問点があります。
このサイトで詳しく検討しているように、名古屋市の説明や推進派の意見には、科学的根拠に基づかないものがいくつもあります。
広沢氏は、工事再開を表明するにあたって、賛成派・反対派の両方の意見を聞いたとのことです。
では、いったい広沢氏は、誰から、どのような意見を聞いて、河村市政のレガシーを破壊する意思決定を行ったのでしょうか?
もし市長がこれらの科学的根拠に基づかない意見によって工事再開を決定したとしたら大問題です。
これを明らかにするために、広沢氏には、市民の前で直接説明する義務があります。
まとめ
このように、名古屋市当局は、住民や市民への説明責任を果たさず、不誠実な対応に終始しています。
そして住民意見の合意形成が出来ているとはとても言えない状態のまま、前のめりの姿勢で、本事業を強行しようとしています。
名古屋市議会もまた、この非合理な道路計画に対するチェック機能を放棄しています。
この有り様は、行政ガバナンスの欠如の典型例であり、民主主義のプロセスの軽視といえます。