2010年3月2日に開催された第2回「相生山緑地の道路建設に係る学術検証委員会」にて、11名の市民から意見が陳述されました。

このページでは、「相生山緑地自然観察会」近藤氏の意見陳述を抜粋して紹介いたします。


「相生山緑地自然観察会」近藤氏の意見陳述

私は「相生山緑地自然観察会」をやっております近藤記巳子と申します。どうぞよろしくお願いします。

私は実は南区に住んでいる者ですけれど、相生山緑地と出会ったことで、こちらに魅せられて長年観察会をやっております。

皆さまがヒメボタルについては、様々な方がおっしゃっておりますので、この緑地に夏鳥として渡来する野鳥「ヨタカ」について申し述べさせていただきます。 約30年前になりますが、相生山緑地周辺の人々は、子供たちが遊びに出かけるときに

「ヨタカが鳴いたら、うちへ帰ってくるのよ」と、声をかけて送り出したといいます。

また女性たちは

「ヨタカが鳴き始めたから、そろそろ帰って夕飯の支度を」と、井戸端会議を切りあげて家路についたといいます。

里山の生きもの「ヨタカ」と人が、寄り添って暮らしていた好例といえましょう。

裏面は「名古屋市の絶滅のおそれのある野生生物 レッドデータブックなごや 2004-動物編-」のヨタカのページです。

下の方に【現在の生息状況/減少の要因】の箇所をピンクのアンダーラインで引きましたので、ご覧いただけますでしょうか。

1994年に天白区で繁殖が確認され、守山区、緑区などということでちょっと書いてございますが、「1975年以来の一連の調査からは記録が消えた」とあります。 「ヨタカ」は絶滅危惧1A 類にあげられています。

これは危篤を表し、現状のままで推移した場合、10年後の絶滅率が 50%以上といわれているものです。

私たち相生山緑地自然観察会のメンバーは、毎年5月にヒメボタルの観察会や調査を行っています。

この時期は「ヨタカ」が「キョキョキョキョキョキョ」と連続して鳴く声を耳にするのが常です。

また街灯の周辺で捕食をしている姿、あるいは木の枝で休んでいるシルエットを観察することもあります。

しかし現状はレッドデータブックが示すように、楽観できるものではありません。

相生山緑地周辺の人々は「ヨタカ」の声を耳にすることが、大幅に減少したといいます。

もし仮に、道路建設によって相生山緑地が分割されるならば、そこに生きる多種多様な動植物たちのつながりを断ち切ることになります。

分割によって生態系が縮小すれば、「ヨタカ」の危機は加速度的に増すでしょう。

一度破壊された森は、二度と元にもどることはありません。

今年10月、COP10が開催されます。

名古屋市は「生物多様性なごや戦略」を策定し、名古屋に残る自然に目を向け大切にする「身近な自然の保全・再生」を柱とするとうたっております。

この戦略には、心から賛同いたします。

身近な自然は「ヨタカ」をはじめとする生きものたちにとって重要な棲家です。 そこは、私たち人間にとっても心地良い憩いの場です。

COP10開催の年、COP10開催の地、名古屋にふさわしい英断を、名古屋の将来、子供たちの将来のために切に願います。

私たち市民も、名古屋の緑の保護・保全により一層努めてまいります。

ありがとうございました。

配布資料 意見陳述補助資料11(近藤氏)

ヨタカ(レッドデータブックなごや2004)


近藤氏の意見陳述のポイント

かつては相生山緑地周辺の人々は、ヨタカとともに生活していました。

そのヨタカも現在ではレッドデータブックの絶滅危惧1A類にあげられるまで減少しています。

もちろんヨタカは一例です。

里山の四季の移ろいは、地域住民にとっての生活そのものです。

名古屋市は、COP10開催都市として、市内における「生物多様性」について責任を持って取り組むべきです。